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100年後の世界を想定した海外進出

「100年後の世界を想定した海外進出」と言われても、多くの人はなかなかピンとこないのではないだろうか。また、「そんな大げさな」と思われる人も多いはずだ。しかし、少しでもその世界を想定して海外進出をできるかが、異国の地で長期にわたる成功を収めることができるか否かを左右すると言っても過言ではない。

海外ビジネスに関係する領域で、100年後の世界とはいったいどんな世界なのだろうか。

まず確実に言えることは、少し前に話題になったTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)などの議論は既に過去のものになっているだろう。経済はますますグローバル化し、貿易における関税や制限は完全に撤廃されていることだろう。

 企業が円高に苦しめられることや、為替の上下で巨額の損失を計上せざるを得ないこともなくなっているかもしれない。

租税条約はさらに進化を遂げ、企業が自由にグローバルビジネスを行う上でのインフラは完全に整うだろう。

パスポートという概念は消え、企業で働く社員は主要な国々には自由に行き来できる世界に変わるだろう。

日本人が日本に所在する日本企業で働くのが主流の時代は終わり、世界中の人々が世界中の企業で働く時代が来る。日系、米系、中国系企業といった認識は消え、企業はあくまで企業単体で認識される。人々の感覚から企業と国は完全に切り離されるだろう。

国境は県境程度のものになる。自身の人種すらも出身地程度の感覚になるだろう。

結局、世界はいろいろな調整を行いながら国境なき“ひとつの世界”へと向かっているのだ。そのような時代において、海外に稼ぎに行くという考え方や、外需を獲得するという考え方は姿を消すだろう。

簡単に言うと、東京の企業が大阪に進出する際、大阪に稼ぎに出るという感覚は持たない。東京の会社でありながらいつしか自然に大阪に根付いていく。しかし、国境というものが間に入ると、どうしても人や企業からこの発想は消える。

 しかし、今、世界中で成功を収めている日本企業を見ていると、共通して言えることは、皆、外需を稼ぎに行くといった感覚は持ち合わせていないということだ。彼らは、100年後の世界を想定し、自分たちが現地企業になるつもりで海外進出をしているように思える。

 これは、日本で成功している海外企業を見ても同じことが言える。日本人の生活や文化にしっかり入り込み、外資系でありながらも日本という土地に根付いた企業だけが生き残り、そうでない企業は淘汰(とうた)された。

 明確なものは何も要らない。ただ、海外進出における全ての戦略や考え方の前提に、“100年後の国境なき世界”を強くイメージすることは重要だと強く思う。



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